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宇宙系大学院生の戯言

社会人から東大大学院を受験・合格した経緯と葛藤

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この内容を書こうと思ったきっかけ

今回も、ありがたいことにTwitterでリクエストをいただき、この内容について書いてみることにしました。

合格という文字をタイトルに入れたほうが読んでもらえるかなと思ったので、一応合格という文字も入れておきました。まあこれで不合格だったら受験の経緯を書いても需要ないですよね。。

まだ大学院に入学していないので、入学後のことは当然書けないため、大学院受験に至った経緯、内面の葛藤について書いていきます。

大学院受験に至った経緯

まず、僕は学部卒で国立大学職員になります。本当は修士に進む予定だったのですが、経済面はもちろん、担当教授の入院により研究室が閉鎖へ向かったため、やりたかったことができないということで院進学はやめたという結果になりました。

しかし、社会人になってから「この仕事をして一生過ごすのは嫌だ」という思いがふつふつと出てきたのです。

そこで最初は、プログラミング関係で知り合っていた人と起業しようという話が出ていたので、僕は取締役という形でやっていこうとなったわけです。しかし、その代表となる人が少しメンヘラなことが露呈してきて、人間関係的にうまくいかなくなり、どうしようかといろいろ考えていました。

また、その頃、国立大学職員を辞めていたので生活費のためにとあるベンチャー企業で働いてもいました。

そうやって、ベンチャー企業で働きながらも会社を作って事業を興そうという活動にもなんとなく疑問を持ってきたわけです。迷惑な話ですが、

なぜ疑問を持ってきたかというと、僕は経済活動には興味がないんですよ。あらゆる反論やお叱りは受けます。そもそも僕の小学校のときに書いた将来の夢は「ホームレスにならないこと」でしたからね。教室の上に貼る紙に本当にそう書きました

そんな性格というか価値観を持っているので、どうしてもお金を稼ぐことが主目的になってしまう組織には興味が持てなくなってしまったわけです。

いろいろと考えた末、やっぱり科学が大好きだし、そもそも宇宙、とりわけ重力について小さい頃から興味があったわけだから、物理学の研究をしたい。そう思って、最初は東大の物理学専攻を受けることにしました。それが今年・2016年の1月くらいです。重力つながりでダークマターに興味を持っていたので、XMASSを直接見に行ったりもしました。言い方を変えれば、東大物理学専攻の研究室訪問でした。

なぜ東大かというのは愚問だと思います。まず、私立よりも学費が安い。それに研究費が多い、研究施設が充実している。

僕は東京大学職員だったのもあり、東京大学は国立大学の中でも研究費が圧倒的に多いということを直接的に知っていました。それに、僕は埼玉県に実家があるため、京都まで行くのはいろいろ面倒だし、東工大もいいけど東工大は東大よりも距離的に遠いので、東大しか行きたいところはありませんでした。どうせ研究をするなら、選べる中で最高の環境で研究したいと思いました。

そんな中、今年の2月か3月に、担当教授で大変お世話になった大師堂先生の最終講義が早稲田大学で行われ、その後の懇親会には国立天文台の初代台長でいらっしゃった古在由秀先生も来られていて、少しだけお話することができました。

また、僕の研究室は電波天文学研究室だったので、天文関係で大学教員や研究所の研究員になられている先輩も何人かいらっしゃっていて刺激を受けました

そういうことがあって、物理学専攻ではなく天文学専攻を受けようと思ったわけです。物理学専攻の研究室訪問も2箇所行きましたが、天文にしました。

大学院入試の勉強のため、仕事はすべて辞めて実家に戻り勉強を開始しました。そして、親に悪いので多少バイトもしようと思い以前バイトしていた塾に電話したところ、理系の先生が足りないからすぐお願いしますと言われ、履歴書も持たずそこの塾で働き始めました。

そして、なんとか無事に合格しましたというのが経緯です。

内面の葛藤

葛藤はありましたが、「こうしたい」と思ったときの行動は比較的速いので、すぐ決まり、言うべき人にはすぐ言いました。また、当時の彼女とも自分から別れました。しばらく結婚できないかもしれないのに付き合うのも悪いので。非常に申し訳なかったと思っています。働いていれば結婚もありえたかもしれませんが、当分の間その可能性はなくなりました。おそらく。

僕のような選択をするにはかなりの勇気がいるでしょう。いろんな障壁があるでしょう。そこで、なぜ僕はそういう障壁を乗り越えられたのかというのを客観的に考えました。

そういう性格だった

簡単に1つの要素を話すと、あまり周りの目を気にしない性格なのでこの決断ができたという側面もありそうです。この話は単なる性格の話なので以上で終わります。

似た境遇の友人がいた

当然周りの目も気にはなります。しかし、地元の一番仲のいい友人も資格取得のために勉強中で働いていなかったので、俺みたいな人(何かへの挑戦のために正規雇用の状態にいない人)くらいいくらでもいるというくらいに思っていました。その友人とは今でもよく遊びます。

それに、最近仲良くなり始めた友人もいますし、すごいねと言ってくれる人もたくさんいます。

同い年の友達を持つのは精神的にプラスになります。

日本の"レールを走れ"教に従う必要はないと考えていた

社会人になってから研究者の道に進んで大成功を収められた方がいます。
2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞された大村智先生です。

大村先生は、一度高校教諭になれてから、東京理科大学大学院に進学されて、「線虫の寄生によって引き起こされる感染症に対する新たな治療法に関する発見」によりノーベル賞を受賞されました。

ノーベル賞をとることが研究者の目的では決してありませんが、一応、1つの成功された形として挙げさせていただきました。

この先生のことを知っていたのは1つ大きかったでしょう。

また、例えばアメリカでは社会人になってから大学や大学院に進学するというケースはよくあるというのを知っていたのもあるでしょう。日本はレールが決まっていますが、海外は異なります。参考になるサイトを探したら見つかったので以下のサイトを紹介します。

gakumado.mynavi.jp

このページによると、

オーストラリア ・大学進学率:96% ・大学入学年齢平均:26歳

ノルウェー ・大学進学率:76% ・大学入学年齢平均:30歳

アメリカ ・大学進学率:74% ・大学入学年齢平均:27歳

となっています。日本ではどんなにデータの取り方を工夫しても大学入学年齢平均を25歳だとかにすることは不可能でしょう。18歳か19歳、最高でも20歳で大学入学できなければ負け組というレッテルを貼られることが多い気がします。大学に行くなら、の話ですが。

僕はいわゆるレールから外れた人生をすでに歩んでいることになります。なぜなら25歳の現時点で正規雇用されていません。

しかし、全く気にしていません。むしろ幸せです。これから天文学の研究ができるというだけでわくわくします。両親・祖父母には非常に感謝しています。複雑な思いもあるかもしれませんが、むしろ半分は喜んでくれているとも思います。理解のある親で良かったなというのは思っています。

成功できない可能性への不安について

もちろん、研究者になってもうまくいかない、というかそもそも研究者になれないという事態もありえます。

しかし、それは自分の努力次第でしょう。

自分が50歳、60歳になったときに何を考えていたいか。みんな年はとるんです。電車で見る50代のおじさん・おばさんのような風貌に、自分もなるんです。そのときに何をしていたいか。人によって様々だと思います。僕は科学について考えていたいです。

大変な道であっても好きなら頑張れると思います。それに、僕は空間把握能力が秀でている自信があるので、天文研究にも向いていると思っています。

科学が好きで、 18〜20世紀ヨーロッパの物理学の発展に憧れを持っている

18〜20世紀ヨーロッパの物理学の発展は目覚ましいものがあります。科学の素晴らしい発展に少しでも寄与して、現代科学の大きな発展を実現したいという気持ちが強く出てきたのも葛藤を乗り越えた1つの要素と思われます。

まとめ:周りがどうしていようと関係ない

周りを気にして、人の意見に合わせていたら、自分の人生は歩めません。僕も本当ならもっと縮こまった10代・20代前半になっていたと思いますが、謎の自信と野心でこの状態まで来ました

すでに働いているけど、大学に行きたい・受け直したい、大学院に行きたいという方は一定数いると思います。また、大学院とかではなく、バックパッカーとして世界一周したいとか起業したいとか、何かに挑戦したいという人は意外と多いでしょう。そしてその中で様々な葛藤や障壁があるでしょう。

しかし、本質的に悪いことでなければ何をやったっていいんですよ。そこに気づくかどうかだと思います。気にしすぎては、可能性の芽を摘むだけです。